2017.10.11

ノーベル賞と時間生物学

ノーベル賞と時間生物学

 

 フラワーヴィラ施設長の服部充です。今日は、時間生物学について、少しだけ触れてみたいと思います。現在、私は日本時間生物学会の会員なのですが、先日、会員あてに下記のようなメールが届きました。

 

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日本時間生物学会の会員の皆さまへ

 

すでにご存知のことと思いますが、2017年度のノーベル生理学医学賞にはジェフ・ホール博士、マイケル・ロスバッシュ博士、ならびにマイケル・ヤング博士の3人の米国科学者に授与されると発表されました(2017年10月2日付)。

 

いずれの研究者も、1980年代からショウジョウバエを主な研究対象にして活発な研究を進め、爆発的に進んだ時計遺伝子の発見と、時計遺伝子がコードする時計タンパク質による転写調節に基づく概日時計の振動機構の解明において先駆的な業績を挙げたことが受賞理由です。

 

時間生物学の中心的な研究成果に対してノーベル賞が与えられることは、私たち同じ研究分野の研究者にとって大きな喜びであり、日本時間生物学会として、3人の研究者たちに最大の敬意と心からの祝福を表したいと思います。時間生物学の研究の重要性が世界の人々に広く認識され、今後、ますます大きく発展することを願いたいと思います。

 

平成29年10月3日

 

日本時間生物学会
理事長 深田 吉孝

 

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 ノーベル生理学医学賞は、毎年、スウェーデンのカロリンスカ研究所(医科大学)にて、選考委員会が開かれます。カロリンスカ研究所(医科大学)には、私も認知症ケアの研修で、訪れたことがあります。今から13年ほど前のことです。研修を終え、私は、「KAROLINSKA  INSTITUTET  Department  of  Nnrsing,Department  of  Neurotec  」の修了証明書をいただくことができました。とても充実した研修で、認知症ケアの最新かつ奥深いものを学ぶことができました。時間生物学の研究がノーベル賞を受賞するということで、カロリンスカ研究所(医科大学)のことをあらためて思い出しました。

 

 

 

 私は、認知症の方にとって、体内時計が重要な役割を果たしていると考えています。フラワーヴィラの認知症対応型のグループホームは、日当たりが良く、朝・日中・夕方の違いも、中庭に植えた大きな木の影の位置により、体感できます。建物の設計は、太陽の光をあびながら、日中は適度な運動ができるようになっており、それによって、夜間はしっかりと睡眠がとれるわけです。昼夜逆転や夜間徘徊等を防ぎ、生活のリズムも整います。

 

 現在、フラワーヴィラでは、認知症介護の指導者が2名在職しており、埼玉県内でおこなっている研修では、講師として指導する立場にあります。当施設にもたくさんの方が見学や研修に訪れています。

 

 日本時間生物学会が今月下旬、京都大学内で開催されますが、色々な研究について報告や発表があると思います。日本の研究も、今以上に充実してくることを期待しています。